クラウドストレージソリューションの中には、インターネットにホストされたストレージを使って、Macにローカルに保管されているコンテンツを同期できるものがあります。 当然、データがクラウドに保管されていても、そうでなくても、お使いのすべてのデータをバックアップできるようにしたいと考えています。 しかし、データをローカルに保管するクラウド同期のソリューションの方法は、そのデータをバックアップおよび復元する方法を複雑にします。 この記事では2つの複雑な要素について説明します:
- あなたがローカルに保管しているデータは実際には隠れた場所に保管されているので、バックアップでファイルを見つけるのが難しい。
- あなたのクラウドに同期されているファイルの一部、または時にはすべてが、お使いのMacに完全に保管されていない可能性がある。 従って、クラウドにのみ保管されているコンテンツをローカルバックアップを作成するためにすぐに利用できない。
クラウドコンテンツのローカルストレージが隠れた場所にある
一般的に、クラウドに同期したコンテンツはFinderのサイドバーからアクセスしているでしょう。 多くの場合、クラウドストレージソリューションは、エイリアスをホームフォルダに配置して、データのローカルコピーの場所を都合よく示している可能性があります。 しかし、一般的に、そのコンテンツは明らかな場所には保管されていません。 むしろ、ホームフォルダの隠れた“ライブラリ”フォルダに保管されています。 そのデータがどこに“住んでいる”かを知ることが、バックアップでそのコンテンツにアクセスする方法を理解する鍵になります。
クラウド同期したコンテンツをバックアップで見つけるには
起動ディスクの普通のバックアップを作成する場合、ローカルに保管されたクラウドコンテンツはすべてバックアップにあります。 しかし、そのコンテンツは隠れた場所にあるので、バックアップディスクでコンテンツを見つけるには以下の手順に従ってください:
- Finderの“移動”メニューから コンピュータ を選択します
- バックアップディスクを選択し、“ユーザ”> {yourname} と進みます
- Commandキー+Shiftキー+ピリオド を押して、隠れている項目のFinderの表示を切り替えます
- iCloudの場合: ライブラリ > Mobile Documents と進んでください
- その他のクラウドストレージの場合: ライブラリ > CloudStorage と進んでください
“iCloud Drive”はボリュームでもフォルダでもありません。 実際、それは多くの異なるフォルダの集まりです。
Finderのサイドバーで“iCloud Drive”を開くと、ファイルとフォルダのシンプルなリストが表示されます。 それらのフォルダのいくつかには特別なアイコンがついていて、そのフォルダに保管しているデータのアプリケーション表しています(例:プレビュー、Pages、テキストエディット)。 FinderでiCloud Driveのコンテンツを見るとき、 (“サイドバー”の) どこかにそれらの項目がすべて1箇所に集められているフォルダがあると思い込んでいるかもしれません。
iCloud Driveはそのようには動作しません。 あなたがFinderで見ているのは、Finderのトリックです。 iCloud Driveは実際には、ホームディレクトリのライブラリフォルダに隠れているフォルダの集まりです。 iCloud Driveに手動で追加されたファイルとフォルダは以下に保管されています:
Macintosh HD --> ユーザ > {yourname} > ライブラリ > Mobile Documents > com~apple~CloudDocs
アプリケーションのストレージフォルダはどこか別の場所に保管されています。 例えば、もしあなたがiCloud DriveにPagesのフォルダを保管しているとした、そのコンテンツは次の場所にあります:
Macintosh HD --> ユーザ > {yourname} > ライブラリ > Mobile Documents > com~apple~Pages > 書類
さらに複雑なのは、デスクトップと書類フォルダを同期するよう選択している場合 ( システム設定 > Apple ID > iCloud Drive > オプション)、Finderはまるであなたのデスクトップと書類フォルダが実際にiCloud Driveにあるかのように表示することです。 実際にはそれらのフォルダは、通常の場所に存在します:
Macintosh HD --> ユーザ > {yourname} > デスクトップ
Macintosh HD --> ユーザ > {yourname} > 書類
しかし、Finderからそこに進むとそれらのフォルダはその場所には表示されません — Finderが隠すからです。
クラウドのみのコンテンツをバックアップするには
ほとんどのクラウドストレージサービスプロバイダは、ファイルをオンラインのみに保存し、ハードドライブのスペースを解放することを可能にする (あるいは推奨/強制する) 機能を提供します。 オンラインでのみ利用できるファイルには、通常、Finderに“クラウド (雲)”のアイコンやバッジが表示されます。例:
これらのストレージサービスのどれかに保管されたファイルをオンラインでのみ存在させるようにフラグすると、ファイルのローカルなコピーはお使いのMacから削除され、0-バイトのプレースホルダファイルに置き換えられます。 これはお使いのMacに空き領域を増やしてくれる便利な機能ですが、一方、この機能はそれらのファイルのローカルバックアップを作成する上でロジスティクスの問題を生じます。 これらのクラウドにしかないファイルをローカルにバックアップしたい場合、CCCはこれらのファイルを一時的に起動ディスクにダウンロードする必要があります。 CCCはこれを実行できますが、この操作にはインターネットから大量のデータをダウンロードする可能性が含まれるため、この機能はデフォルトでは無効になっています。 同様に、このデータを起動ディスクのバックアップと混在させると、容量制限のためにバックアップ全体を元のディスクに復元できないという事態を招きかねません。 これを避けるには、クラウド専用ストレージのバックアップをバックアップディスクの別ボリュームに作成することをお勧めします。
クラウドにしかないデータをバックアップするためにCCCタスクを設定するための最善策
- CCCを開き、ツールバーの新規タスクをクリックします。新規タスクに"クラウドストレージのローカルバックアップ"などの名前を付けます。
- ソースセレクタをクリックして、クラウドストレージを選択します。
- コピー先 セレクタをクリックして、バックアップボリュームを選択します。 起動ディスクのバックアップに使用するボリュームと同じボリュームを選択する場合は、バックアップボリューム設定アシスタントに新しいボリュームを必ず追加してください。
- 完了をクリックし、タスクをスケジュールするか、または、すぐに実行してください。
“クラウドストレージ”のソースオプションは、"ローカルバックアップを作成するためにクラウドのみのファイルを一時的にダウンロードする"設定を自動的に有効にします。 この設定を有効にすると、CCCはまだコピー先に存在しない、または、コピー先にある関連ファイルよりも新しい、クラウドのみのファイルを一時的にダウンロードします。 一時的にダウンロードされたファイルをコピーした後、CCCはそのファイルを"退去"させ、ファイルが消費した容量を解放します。 CCCは、一時的にダウンロードされたコンテンツを一度に100ファイル以下、2GB以下しか保持しないようにしています。
この機能には、macOS Monterey 12.5+が必要です。
クラウドストレージのタスクはカスタムフィルターを作成します
クラウドストレージのソースは、ホームディレクトリの以下のフォルダを自動的に含むフィルタを作成します:
- デスクトップ
- 書類
- ライブラリ > Mobile Documents
- ライブラリ > CloudStorage
最初の3つのフォルダはiCloud専用で、最初の2つのフォルダはiCloud Driveでデスクトップと書類フォルダを同期するように設定している場合にのみ適用されます。 デスクトップと書類フォルダをiCloudに同期しない場合は、CCCウインドウの一番下にあるタスクフィルタをクリックし、デスクトップと書類フォルダの横にあるボックスのチェックを外して、これらのフォルダをこのバックアップタスクに含めないようにすることができます。
iCloudのクラウドのみのコンテンツが一時的にダウンロードされなくなることがあります
macOS Monterey (12.3、2022年1月) 以降、Appleはシステム機能拡張によるクラウド同期を禁止しました。 代わりに、Google、Microsoft、Dropboxなどのクラウド同期サービスプロバイダは、macOS内の"FileProvider"サービスを採用するよう“奨励”されました。 macOS Sonoma以前は、Appleは自社のiCloud Driveクラウド同期ソリューションにこのサービスをまだ採用していませんでした。 むしろ、AppleはmacOS MontereyとVenturaで、独自のプレースホルダーファイルに依存した独自の同期サービスを使い続けました。
独自の規格が採用されていないため、MontereyやVenturaでiCloudのクラウドのみのコンテンツを扱う際に、いくつかの特異性が生じます。 弊社にとって回避するのが難し過ぎると判明した唯一顕著な問題は、バンドルファイルに関するものです。 iCloudは、バンドルファイルに単一のファイルプレースホルダを使用します (FileProvider経由のデータなしフォルダに対して) 。 この構造 (の欠如) は、特にAppleがmacOS SonomaでiCloudをFileProviderに移行させたという事実を考慮すると、私たちが解決するにはコストがかかり過ぎると判断した、ロジスティックで実用的な問題を引き起こしました。 そのため、バンドルファイルであり、かつクラウドオンリーのiCloudファイルは、MontereyおよびVenturaではダウンロードされることがなく、代わりにプレースホルダーファイルがコピーされます。
クラウドオンリーコンテンツの一時的なダウンロードに関するその他の顕著な注意事項
CCCのヘルパーツールは、タスクイベントの全期間、icloud.comにアクセスする必要があります。
もしそのホストに接続できない、またはそのホストとの接続を喪失した場合 (クラウドにバックアップされたコンテンツをホストするサービスプロバイダに関係なく)、CCCはタスクのダウンロードを中断します。 こうするのは、クラウドからファイルをダウンロードするリクエストを取り消すことができないからではありません。 もしすべてのファイルのダウンロードを無理に進めて、すべてのファイルをリクエストしたとすると、iCloud/FileProviderは接続が回復次第、それらすべてのファイルのダウンロードを再開することになってしまいます。 さらに悪いことに、これはタスクの権限外で起こるので、CCCはダウンロードされたファイルを追い出すことができず、起動ディスクの容量制限につながる可能性が高くなるのです。
バックアップタスクを実行中、CCCのダッシュボードアプリケーションを実行する必要があります
ファイルコンテンツを"立ち退かせる"ことができるのはログインユーザだけなので、CCCはそれらのリクエストをCCCダッシュボードサービスに手渡します。 CCCがファイルを確実に立ち退かせることができない場合、CCCはファイルをダウンロードしません。 これが起きると、CCCはタスクイベントのエラーを報告します。
検証の不一致
クラウドのみのコンテンツを持つソースに対して臨時検証を実行した場合、クラウドのみのプレースホルダファイルは検証に失敗します。 これは正しい結果です。というのは、クラウドのみのプレースホルダーファイルの (空の) コンテンツは、一時的にダウンロードされた“リハイドレート"ファイルのコンテンツと一致しません。 CCCのトランザクションは、空のプレースホルダーファイルではなく、ダウンロードされた実際のデータのチェックサムだけを保持します。
クラウドオンリーのプレースホルダーファイルが、チェックサム解析のためにダウンロードされることはありません
“コピー先の壊れているファイルを見つけて置き換える” (別名、“バックアップヘルスチェック”) を使用すると、CCCはインターネットからクラウドのみのプレースホルダーファイルをダウンロードして、そのチェックサムだけを計算することはしません。 CCCが過去にこれらのファイルをコピーした場合 (一時的なダウンロード経由か、立ち退き前に)、タスク監査はそれらのファイルのチェックサムをすでに持っていることになります。 これらのファイルを検証するには、CloudStorageバックアップタスク専用のコピー先セレクタをクリックし、このタスクによってコピーされたファイルを検証を選択してください。
臨時検証:“最後の周知状況”に対してソースまたはコピー先を検証します
クラウドサービスの問題でCCCがクラウドのみのファイルをダウンロードできないことがあります
当然、ユーザ側のインターネット接続の問題でCCCがクラウドオンリーのファイルをダウンロードできないことはありますが、クラウドプロバイダ側のサービスの問題でCCCがそれらをダウンロードできないこともあります。 ほとんどのクラウドサービスプロバイダは、サーバーの状態を表示するダッシュボードを提供しています。 ご参考までにいくつか紹介します: