Appleのシステムをコピーすることは、Apple独占のものです。弊社が提供できるのは、macOSで起動可能な外部デバイスを作成するための“最善の努力"をサポートすることだけです。 弊社では、作成後すぐに使用されることを目的とした (例:別のディスクに移行する場合、またはテストの目的で) 暫定的なアドホックの起動可能なシステムのコピーを作成することをサポートするためにこの機能を提示します。 しかし、バックアップ戦略の一部としてシステムの起動可能なコピーを作成することはサポートも、推奨もしません。
お手持ちのすべての書類、アプリケーション、およびシステム設定はCCCの標準バックアップから復元できることをお忘れなく。 起動可能なデバイスの確立および維持に関わる特別な努力をする必要はありません。
過去には、“起動可能なバックアップ”は、必須のトラブルシューティングデバイスでした。 初心者ユーザでさえ製品 (システム) 起動ディスクがうまく動作しない場合、頼りになるものでした。 しかし、Appleの外部起動ソリューションの信頼性は、過去数年衰えています。 そして、その状況はApple シリコンプラットフォームでさらに激しく悪化しています。 AppleシリコンMacは、内部ストレージが壊れている場合、またはそうでなければ機能が奪われている場合、(まったく) 起動しません。 ですから、それらのMacの起動可能なレスキューデバイスを保持することには、ほとんど価値がありません (もし少しでもあったとしても) 。
また、オペレーティングシステムのコピーを作成することがますます難しくなっています。 今や、macOSシステムは暗号で封印された "署名済みシステムボリューム"に存在しているので、Apple独占のユーティリティによってのみコピーが可能です。 このユーティリティは非常に一次元的で、システムをコピーすることを選択すると、他のバックアップ機能を犠牲にすることを強いられます。 例えば、システムをコピーして、あなたのデータのバージョン管理されたバックアップを保持することはできません。 Appleの新しい“Appleシリコン”プラットフォームのこれらの変更と制限により、外部起動を可能にするデバイスを作成することは、初心者ユーザにとってとっつきにくいだけでなく、トラブルシューティングのためのデバイスとしての信頼性も低くなったと言えます。
CCCの“標準バックアップ”にはオペレーティングシステムは含まれません
デフォルトで、CCCは起動ディスクのバックアップを起動可能にすることは試みません。 起動ディスクのバックアップを設定すると、CCCは“Data”ボリュームのコンテンツをバックアップします。 それがお使いのすべてのデータ、すべてのアプリケーション、そしてすべてのシステム設定です。 つまり、お使いのMacに関してカスタマイズされたすべてです。 データを復元するために、CCCのバックアップからMacを起動できる必要はありません。 製品 (システム) ボリュームから起動中に、FinderまたはCCCを使って、個々のファイルまたはフォルダを復元できます。 万が一、起動可能でないバックアップからすべてを復元する必要が生じた場合には、macOSを“リカバリモード”経由でインストールして (例:置換ディスクに)、続いて“移行アシスタント”を使ってバックアップからデータを移行してください。 CCCのバックアップは“移行アシスタント”と互換性があり、その設定をサポートします。
“古い起動可能なコピーのアシスタント”を使って起動ディスクのコピーを作成するには
Macの起動ディスクの起動可能なコピーを作成するようにCCCを設定したい場合は、“古い起動可能なコピーのアシスタント”を使用できます。 ソースボリュームとコピー先ボリュームを選択した後、コピー先セレクタをクリックし、古い起動可能なコピーのアシスタント…を選択します。
古い起動可能なコピーのアシスタントは、選択されたコピー先の設定方法に応じて、タスクの進め方についていくつか選択肢を提示します。 推奨するのは、1つのボリュームをこのプロシージャ専用にしておくことです。 というのは、そのボリュームは起動ディスクのコピーを作成すると消去されるからです。
コピー先を消去
このオプションを選択すると、CCCはAppleのAPFSレプリケータ (Apple Software Restore、別名 "ASR") を使って、選択中のソースを選択中のコピー先にコピーするようタスクを設定します。 タスクを開始すると、コピー先は直ちに消去されるため、空のボリューム、または削除されてもよいデータ (古いバックアップなど) があるボリュームを選択していることを確認してください。
標準バックアップ
このオプションは、古い起動可能なコピーのアシスタントを使用しない場合のデフォルトの動作です。 CCCは、起動可能でないオプションが利用できる、また時にはより好ましいオプションが利用できる (例:現在のバックアップボリュームを消去したい)場合に限り、このオプションをリマインダーとして提示します。
macOSの外部起動デバイスに頼る前に知っておくべきこと
このプロシージャはApple独占のAPFS複製ユーティリティに頼っているので、弊社の開発でコントロールできる範囲ではありません。 この機能に関するフィードバックを歓迎します。 しかし、Appleの複製ユーティリティが遭遇した問題については詳細なトラブルシューティングを提供することはできません。
- コピー先が起動可能かどうかは、お使いのMac、macOS、およびコピー先デバイスの互換性によって異なります。 コピー先デバイスの起動性に関するトラブルシューティングは、弊社の知識ベース記事、外部起動のトラブルシューティングで紹介している提案以上のことを提供することはできません。
- コピー先に定期的なバックアップを実行すると、コピー先が起動可能な状態を保てなくなる可能性があります。 この手順は定期的なバックアップに使用されることを意図していません。
- Appleシリコン搭載のMac:Appleの複製ユーティリティは、起動可能なUSBデバイスの作成に失敗する可能性があります。 Thunderboltデバイスを使った結果はより安定しています。 USBデバイスしかお持ちでない場合は、そのデバイスに標準バックアップを作成し、その後そのバックアップにmacOSをインストールすることをお勧めします (必ずこの順番で)。
- Appleシリコンを搭載したMacは、内蔵ストレージが故障するとまったく起動しなくなります。 起動可能な外部デバイスは、このシナリオではレスキューディスクとして機能しません。
上記の理由で、バックアップを起動可能にする試みは推奨しません。 代わりに、“標準バックアップ”を使うことをお勧めします。 お手持ちのすべての書類、互換性のあるアプリケーション、および設定を、CCCの標準バックアップから復元できます。 起動可能なデバイスの確立および維持に関わる特別な努力をする必要はありません。
よくある質問
タスクの実行が始まると、コピー先がソースと同じ名前に変更されました。 そして、この“ASRDataVolume”ボリュームとは何ですか?
非常に鋭い方なら、Appleのボリュームレプリケータが動作し始めると、コピー先ボリュームの名前が変わることに気がついていることでしょう。 CCCのサイドバーにも追加のボリュームが表示されているかもしれません。 これは正常なことです。 これらのボリュームは“ボリュームグループ”に集約され、1つのボリュームとして表示されるので、複製が完了すると、CCCはコピー先を元の名前に変更します。
AppleのAPFS複製ユーティリティが失敗し、ASRDataVolume、または ASRNewVolumeが持続されているのを確認した場合、ディスクユーティリティでそれらの痕跡のあるボリュームを削除できます。 単純にそれらのボリュームを選択してから、ツールバーの "-" ボタンをクリックしてください。
システムの起動可能なコピーを作成するために、コピー先を消去する必要がありますか?
はい。 macOSのシステムボリュームはApple ASRユーティリティでのみコピーできます。そして、そのユーティリティはコピー先を消去することでしか機能しません。 システムの起動可能なコピー専用にボリュームを確保する必要があります。
コピー先デバイスを他のデータの保存にも使用できますか?
別の、専用ボリュームであれば、できます。 APFSボリュームをコピー先のAPFSコンテナに追加して、その新しいボリュームを他のコンテンツのために使用することを推奨します。 システムコピーとその他のコンテンツが別々のボリュームに保存されている限り、これらは同じ物理デバイス上で問題なく共存できます。 同様に、コピー先がAPFSフォーマットされていない場合は、コピー先ディスクにパーティションを追加することができます。 例えば、すでにHFS+フォーマットされたボリュームにコンテンツがある外付けハードドライブがある場合、ディスクにパーティションを追加し、新しいパーティションをシステムのコピーに使用することができます。
関連ドキュメント
コピー先に定期的なバックアップを作成し続けた場合、コピー先は起動可能なままですか?
コピー先に追加のバックアップタスクを実行した後 (手動、またはスケジュール済みバックアップから)、コピー先が起動可能な状態を維持することを期待しない方が良いでしょう。 “古い起動可能なコピーのアシスタント”は、すぐに使用するシステムの起動可能なコピーをその場限りで作成することのみを目的としています。
システムの起動可能なコピーを作成する際に、一部のコンテンツを除外することはできますか?
いいえ。 macOSのシステムボリュームはApple ASRユーティリティでのみコピーできます。そして、そのユーティリティは完全な、バイト単位の正確なコピーを作成することしかできません。 最初のコピーからコンテンツを除外する必要がある場合は、標準バックアップをお勧めします。
私のバックアップディスクにはすでに他のボリュームがあります。 それらは消去されますか?
いいえ。 “{destination}を消去"のオプションを使って続けると、選択中のコピー先 ボリュームのみが消去されます。 物理的に同じデバイスにある他のボリュームが影響を受けることはありません。 いずれにせよ、他のどこにもバックアップされていないデータがあるディスクをターゲットにすることは、決してお勧めしません。 それら他のボリュームがまだバックアップされていないのであれば、先に進む前にそのデータをバックアップしてください。
ボリュームを追加しましたが、その追加のボリュームが結局必要なくなりました。 削除できますか?
はい。 CCCの“ユーティリティ”メニューから ディスクユーティリティ を選択し、削除したいボリュームを選択してください。
暗号化されたボリュームにシステムコピーを作成できますか?
暗号化されたボリュームをコピー先として選択してもかまいませんが、そのボリュームはいずれ消去され、また、タスクが完了する時点で暗号化されていません。 AppleのAPFS複製ユーティリティは、コピー先ボリューム上でFileVaultをプリエンプティブに有効にしません。 コピー先でFileVaultを有効にするには、システムコピーから起動し、システム設定 > プライバシーとセキュリティ> FileVault と進み、FileVaultを有効にしてください。
関連ドキュメント
macOSを“標準バックアップ”にインストールして、それを起動可能にできます
起動ディスクの起動可能なコピーをすぐに作成する必要がある場合は、必ず“古い起動可能なコピーのアシスタント”を使用することをお勧めします。 しかし、将来いつか外部デバイスから起動する必要が生じ、また暗号化されていないAPFSボリュームに既存の標準バックアップがあり、それを起動可能にしたい場合、macOSをそのボリュームにインストールできます:
- macOSインストーラをダウンロードして開きます: [Monterey] [Ventura] [Sonoma]
- ディスクを選択するように促されたら、 すべてのディスクを表示… をクリックして、お使いのバックアップディスクを選択してください
- 続けて、macOSをバックアップディスクにインストールしてください
macOS インストーラーはバックアップボリューム上のスナップショットを削除しますので、ファイルの古いバージョンを復元するチャンスはなくなります。この点に注意してください。
トラブルシューティングのヒント: 数人のユーザはバックアップディスクから起動すると、macOSが機能停止になることを発見しました。 この問題に遭遇した場合、セーフ起動モードで起動 (Intel Macの場合: Shiftキーを押したまま起動、Apple シリコン搭載のMacの場合: 電源ボタンを押したまま起動、その後Shiftキーを押したまま起動ボリュームを選択) し、サードパーティストレージドライバの読み込みを無効にしてください。 該当する場合、互換性のないサードパーティのストレージドライバをアンインストールするには、というこちらのKbase記事を参照してください。
しかし、CCCのバックアップから起動ディスクを復元するための弊社の推奨手順および対応手順は、macOSを新しく消去したボリュームにインストールしてから、移行アシスタントを使ってデータをCCCのバックアップから移行することです。 起動可能なボリュームはこの手順には必要ありません。