macOS システムは"署名済みシステムボリューム"上に存在します。 このボリュームは暗号的に封印されていて、その封印はApple社によってのみ適用されますので、システムボリュームの通常のコピーは、Appleの封印がなければ起動できません。 “古い起動可能なコピーのアシスタント”を使用してCCCバックアップ・タスクを設定すると、CCCは自動的にApple独自のAPFSレプリケーション・ユーティリティ(ASR)を使用して、ソースのブロック単位の正確なコピーを作成します。 それが起動可能なボリュームを生成しない場合、および以下の ファームウェアの発見の可能性に関するトラブルシューティングのステップを使い果たしてしまった場合、 macOSをバックアップにインストールすることを推奨します。 それが起動可能なデバイスを生成しない場合、そのデバイスはお使いのMacで起動可能なデバイスとして機能するには向いていません。
外付けデバイスを起動可能にできるのはAppleだけです。 システムコピー機能と起動の可能性に対する弊社のサポートは、上記の提案に制限されます。
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工場出荷時に搭載されているOSよりも古いOSから起動できるMacはありません
Appleはこれまで、工場出荷時に搭載されているOSよりも古いOSから新しいMacを起動することをサポートしたことはありません。 新しいMacにコンテンツを移行する場合は、その目的のために“移行アシスタント”を使用し — 古いMacのバックアップを新しいMacに復元しようとすることはやめてください。
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Macのファームウェアが時々バックアップデバイスを検出できないことがある
Optionキー (Intel Macの場合)、または電源ボタン (AppleシリコンMacの場合) を押したままMacを起動すると、 Macの起動マネージャが利用可能な起動デバイスのリストを表示します。 Macのファームウェアチップに保管されたデバイスのドライバーのみを使用すると、ファームウェアはすべてのSATA、PCI、USB、および Thunderboltのバスをハードウェアデバイスのためにスキャンしてから、それらのハードドライブボリュームヘッダを読み取り、macOSシステムがそれぞれのボリュームで利用できるかを判断します。 通常、CCCで作成したシステムボリュームのコピーはこの一覧に表示されますが、時々Macのファームウェアがバックアップをホストするハードウェアを見つけにくいことがあります。
ここでは、デバイスが表示されない一般的な理由と、それを解決するために試せるトラブルシューティングの手順をいくつか紹介します。
T2 Macで“外部起動"を有効にする (これはApple Silicon Macでは必要ありません)
CCCの起動可能なコピーからApple T2 コントローラーチップ を搭載したMac (例:2018 MacBook Pro、またはiMac Pro) を起動しようとする場合、外部ハードドライブからの起動を許可するよう、お使いのMacの 外部起動 に関するポリシーを必ず変更してください。 Appleのこちらのサポートページ でもその手順が説明されていますが、ここでも紹介します:
- コマンド(⌘)キー + “R”キーを押したままMacを再起動します
- メニューバーの“ユーティリティ”メニューから 起動セキュリティユーティリティ を選択します (詳細はこのスクリーンショットをご覧ください)
- macOSのパスワードを入力 ボタンをクリックし、管理者アカウントを選択して、そのパスワードを入力してください
- 外部起動 (または“許可する起動メディア") の設定を 外部メディアからの起動を許可 に変更してください
- 再起動してください
しかし、バックアップから起動することを目的に安全な起動 設定を変更することはやめてください。 “完全なセキュリティ”はデフォルト設定です。 その設定は、それ自体のバックアップからT2を起動することに対応しています。 これらのMacの1つを別のMacのバックアップから起動しようとする際、これには例外があることに注意してください。別のMacのバックアップからT2 Macを起動することは、サポートされていません。
非QWERTYキーボードを使用する場合の注意:最初、リカバリモードに起動する際、言語を選択するよう促されます。 この際、必ずお使いのキーボードに一致する言語を選択してください。 そうでないと、起動セキュリティユーティリティがパスワードを承認しないことがあります。
この設定を変えないで、今後実際に自分のバックアップから起動する必要がある場合にのみ変更することは可能ですか?
一般的には、できません。 起動セキュリティユーティリティで設定を変更するには、お使いのMacの内部ディスクで機能しているユーザアカウントが必要です。 もしお使いのMacの起動ディスクに問題が起きた場合、起動セキュリティの設定を変更することは不可能です。 起動可能なバックアップの主要な目的は、Macの起動ディスクに問題が起きた、または機能しなくなった場合の救援ディスクとして機能することなので、Macを外部デバイスから起動できるように設定しておくことを推奨します。
追加の起動セキュリティのために、ファームウェアパスワードを適用できます。 ファームウェアパスワードが適用されると、お使いのMacは起動時にStartup Managerを読み込むためのパスワードが必要になります。
Apple Kbase HT204455:Macにファームウェアパスワードを設定するには
一般的に互換性のない設定とファイルシステムの例外を排除する
外部ハードドライブエンクロージャを使用している場合、お使いのエンクロージャが過去に問題が見られたエンクロージャとしてこのページの下に表示されているか確認してください。
お使いのMacと外付けストレージの間にあるハブやアダプタをすべて取り外してください。 外付けデバイスは、正しいプラグが両端に付いたケーブル(アダプタなしで)を使って、MacのUSBポートまたはThunderboltポートに直接接続してください。
Macの起動マネージャーで発見の可能性の問題に関するトラブルシューティング
- Macの電源を切ります
- キーボードとマウス以外のすべての周辺機器 (すべてのセカンダリーディスプレイを含みます) をMacから接続解除します
- バックアップディスクをMacのUSB、またはThunderboltのポートに直接接続します (ハブ、 アダプタ、モニター、デイジーチェーン、他社製USBカードのいずれも必要ありません)
- Optionキー (Intel Macの場合)、または電源ボタン (AppleシリコンMacの場合) を押したまま、Macを起動します。 [注意:有線接続のキーボードにはこのステップが必要なことがあります]
- 約30秒待ち、バックアップボリュームが表示されるか確認してください。 この段階でバックアップボリュームが表示され、起動プロセスがAppleのロゴよりも先に進んだ場合、以下のセクションにスキップしてください。
- 起動マネージャーウインドウで“Option-Shift-Command-ピリオド”を押すと、存在していて、外部ハードドライブエンクロージャを必要とするオプションROMファームウェアを読み込むことができます。
- バックアップボリュームのUSB、またはThunderboltケーブルをMacから一旦取り外してから再接続し、もう30秒待ちます。 バックアップボリュームが表示されたら、それを選択して起動プロセスを進めてください。
- まだバックアップボリュームがオプションの1つとして表示されない場合は、Macを完全にシステム終了してください。 その後、Optionキー (Intel Macの場合)、または電源ボタン (AppleシリコンMacの場合) を押したまま、ボリュームが表示されるまでもう30秒待ちます。
- ボリュームが表示されるまで、別のインタフェースを使用して上記の手順を繰り返してください (例えば、Thunderboltを試したらUSB、すでにUSBを試したらThunderboltというように) 。
- ハードドライブエンクロージャがバス電源の場合、Macを起動前にDC電源に接続してみてください。 バス電源のエンクロージャは、しばしばスピンアップに時間がかかることがあるか、また単純に早い時期の起動プロセスでは利用できないません。
追加のUSBデバイスに関するトラブルシューティング
以下の追加のステップを実行することで、Macに起動プロセスの早い段階でお使いのUSBデバイスを“発見”させることができます。
- Optionキー (Intel Macの場合)、または電源ボタン (AppleシリコンMacの場合) を押したまま、Macを再起動します。
- Macに複数のUSBポートがある場合、コピー先ディスクをそれぞれのポートに接続してみてください(必ずハブ、キーボード、ディスプレイモニターではなく、Macのポートに直接接続してください)。
MacのパラメータRAMをリセット
最後にMacのパラメータRAM(PRAM)を再設定してみてください。 PRAMはMacの起動に関連する設定を維持しているので、その設定が無効なために、Macが外部エンクロージャを検出するのを干渉している可能性があります。 Intel MacでPRAMをリセットするには:
- 起動時に Command+Option+P+R を押したままにします
- 2度目の起動チャイムが鳴るまで、これらのキーを押したままにします。
- 2度目の起動チャイムが鳴ったらOptionキー以外のキーをすべて離してください。
互換性のないエンクロージャを完全に排除する
それでもまだボリュームが表示されない場合は、ファームウェアがエンクロージャを探知できない可能性があります(macOSが一旦起動され、さらに多くのデバイスドライバーにアクセスして、エンクロージャを問題なく見つけているにも拘らず)。 起動の可能性をテストする黄金のリトマス試験があるとすれば、macOSを直接ボリュームにインストールすることです。 macOSインストーラーがディスクを起動可能にすることに失敗した場合、外付けデバイスは起動デバイスとして機能しません。
バックアップボリュームはMacの起動を開始しますが、Finderにたどり着けません。 または、Macが再起動して、内部ディスクから起動します
バックアップボリュームが起動マネージャに表示され、それを選択して、起動プロセスを進めたが…
MacにAppleロゴが表示されない (例えば、バックアップボリュームを選択後、画面が空白、黒く、またはグレーになる): macOSをそのボリュームにインストールして、起動デバイスとして適切かどうかを検証してみてください。
Appleロゴと進行状況インジケータは表示されるが、起動プロセスが完了しない (そして、おそらくMacが内部ディスクから再起動する):ストレージドライバの競合が作用しているか、またはそのエンクロージャー特有の互換性の問題がある可能性があります。
- Appleメニューから“このMacについて”を選択して、お使いのMacが選択したボリュームから本当に起動しなかったかを確認してください
- セカンダリーディスプレイを含む、すべての不要な周辺機器を接続解除します
- Optionキー (Intel Macの場合)、または電源ボタン (Apple シリコンを搭載したMacの場合) を押したままMacを再起動して、起動マネージャを読み込みます
- バックアップディスクを選択
- ボタンをクリックして起動プロセスを進める際、Shiftキーを押したままにしてセーフ起動モードで起動してください
セーフ起動モードで選択中のボリュームから問題なくMacが起動した場合、“ターミナル”アプリケーションを開いて、以下のコマンドをペーストしてください:
sudo kextcache --clear-staging
sudo kextcache -system-prelinked-kernel
sudo kextcache -system-caches
各ラインをペーストした後Returnキーを押し、求められたら認証してください。 その後、今度はセーフ起動モードを使用しないで、もう1度同じボリュームから起動してみてください。 Macがそれでも選択中のボリュームから起動できない場合は、 起動ディスクとしての適合性を検証するために、macOSをそのボリュームにインストールしてみてください。
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バックアップからMacを起動する場合に期待されるパフォーマンス
バックアップから起動する場合、Macのパフォーマンスは、ほぼ完全にハードウェアのパフォーマンス次第です。 より具体的に言えば、そのハードウェアのファイルシステムのパフォーマンスによって異なります。 お使いのバックアップディスクがSSDの場合、内蔵のSSDからMacを起動するときに得られるパフォーマンスに比べて、非常に優れたパフォーマンスを期待できます。 バックアップディスクが回転式HDDの場合、その性能は、バックアップディスクの特定の性能特性によって、十分なものから非常に悪いものまでさまざまです。 特に、AppleのAPFSファイルシステムは回転式HDDデバイスで比較的劣るパフォーマンスになります。 しかも、5400RPMディスクおよび シングル磁気記録方式を使用するディスクでは、そのパフォーマンスはかなり悪化します。 このような低速のHDDでは、Macの起動に使用可能できない可能性があります。
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問題が承知されている構成
- USBメモリスティック、フラッシュドライブ、SDカードは本来低速なデバイスですので、システムの起動可能なコピーの作成にこれらを使用することは推奨しません。
- SDカードやサムドライブに使用されているようなフラッシュベースのメモリは、書き込み/消去サイクルに制限があり、従来のSSDや機械式ハードドライブのそれよりもはるかに低いため、主要なバックアップデバイスとして不適切です。
- Nexstar 6G USB 3.0 ハードドライブエンクロージャは、見つけやすさに問題があるため起動できない、という報告を受けています。
- 複数ベイのハードドライブエンクロージャが不安定な起動結果を引き起こすという報告を数件受け取っています。 すべてのケースで、ハードドライブがエンクロージャの最初のベイに設置されている限り、Macは外付けディスクから起動できます。 他のベイに設置すると、起動可能なボリュームはMacのファームウェアによって見つけれらません。 複数のベイのあるエンクロージャでディスクから起動するときに問題がある場合は、エンクロージャ内のドライブの位置を変えてみてください。
- Orico 3588US3 USB3のエンクロージャはデバイスを発見できないと言う問題のために起動できない、と言う報告があります。
- 数人のユーザから、ASMediaのASM1352Rエンクロージャに発見可能性の問題があると報告を受けています。
- 1人のユーザから、MyDigitalSSD Boostエンクロージャは起動できないとの報告がありました。
- Sonnetのカスタマーサポートによると、Sonnet Allegro Pro USB 3 PCIカードは起動ディスクとして機能しないことが確認されています。
- Inateck USB 3.0 2.5"ハードドライブエンクロージャのモデル番号"FEU3NS-1"には起動の問題があるという報告が何人かのユーザから報告されています。
- Sabrent Rocket Pro 2TB NVMe USB 3.1 External Aluminum SSD は 起動可能ではないという報告を受けています。
- LaCie d2は起動可能ではないという報告が最低2件届いています。
- GMM M.2 NVMe エンクロージャ は 起動可能でない と言う報告を受けています (テストケースは、Montereyを実行中のMacPro。別のエンクロージャで同じストレージを起動することでも確認済み)。
- Samsung SSD ドライバ (Samsungによって提供されているドライバ) は、Samsung T7 SSDから起動を試みると、macOSに機能停止、またはカーネルパニックを引き起こすという報告を受けています。 Samsungストレージドライバのインストールを避けることを推奨します。それらは内蔵のmacOSストレージドライバと重複します。
- さまざまな外部デバイスがmacOSを起動できないという報告を受けています。 これらの報告の一般的なスレッドは、macOSインストーラが“残り1分”でハングし、インストールの手順を完了しない (そして、ユーザはインストーラを最後の手段として試している) というものです。 上でも述べているように、macOSインストーラが外部デバイスでmacOSの起動可能なインストールを作成できない場合、そのデバイスは単純にMacを起動する能力がないことを指します。 代わりに、そのストレージを標準バックアップに使用することをお勧めします。